もっとありがとうを振りまけばよかったのかもしれない。
「不完全さを残すことで、人の優しさや手助けを引き出すことができる」
ごみを拾えないゴミ箱ロボット、もじもじしてうまくティッシュを配れないロボット。
わざと不完全なロボットをつくって、子ども用の病院や施設に置いてる人がいるらしい。
本当かなあ。「このポンコツめ!」って蹴飛ばされたりしないかしら?
わたしなんて、ポンコツぶりなら自信があるけど、結婚してから、しばらくして夫に聞いてみた。いわく、「昔はかわいいとも思ったけど、いまはうんざり。飽き飽きしている」そうだ。
やっぱり、弱々しいロボも飽きられちゃうんじゃないかなあ??
だけど、前に話したかも知れないけれども、わたしは妊婦になったときに、愕然としたんだよね。元気なときは、人の2倍働いて、ハンディキャップとは縁がなかったわたし。なのにさ、お腹に赤ちゃんが来た途端、いろいろ臆病になった。
おおきなお腹を抱えて、満員電車に乗るのも怖い、デパートの重い扉も開けられない。
外から見たら、立派な身体なのに、つわりでげーげー言ってて、力が出ない。
そしたら、知らないおじさんやおばさんやおばあちゃんまでもが扉を押して開けてくれた。
なんか、ものすごく不自由で。赤ちゃんがお腹に来たこと、よろこんでいいんだけど、みんなに大事にされて嬉しいはずなのに、なんか万能感、はぎ取られちゃったみたいでさ。ものすごく哀しかったんだよね。
わたしのピークはもう終わって、これからは、お腹の赤ちゃんが生まれた後も、子どもを抱えてずっとずっとみんなに手加減されながら、生きて行くんだって絶望感みたいな気持ちでいっぱいになった。もう、後戻りは出来ない。。。みたいな。
そんなときに妹に電話で言われたんだよね。「親切は、された方より、してあげた方が幸福感が強いんだってよ」それから、わたしは、その言葉を杖のようにすがっては、妊婦、産婦、子育ての時期を凌いで行くことになる。
道無き道をね、ずっとずっと1人で歩いている気分だった。ハンディキャップ背負ってね。のろのろと。
多分、会社で初めて、3年育休を取ったんだ。娘が3歳になる誕生日まで。
復帰の挨拶に行ったら、その時、人事課にいたんだけど、人事課長に、「ああ、君があの・・・ポコさん!」と言われた。あーー、わたし有名人なのかなあって思った。顰蹙買ってるんだろうなあって。周りに迷惑も負担もかけたしな。申し訳ない。当然だよな。
ちょうどシステムの入れ替えの時期で、わたしのいた部署、めちゃめちゃ忙しかったんだ。
それからは、親に泊まり込んでもらっては、残業もこなし、1年で忙しい部署から異動させてもらい、異動先でまた直ぐに妊娠して、お休みに入った。
今度は1年で復帰したけど、その後は、めいいっぱい部分休業という時短勤務 を取った。
このときも、しんどかったなあ。でも、後に続く人たちのためにって、ちょっと意地になってた。
自分の私利私欲のためじゃない。お給料だって、めいっぱい減額されてるし、将来の後輩たちのためでもあるんだ。そう思うことが、わたしの支えでもあった。
だけど、そのときもずっと、わたし不完全だった。きっといろんな人に助けられてたんだなあって思う。
孤独じゃなかったらよかったのにな。もっと幸せだったのにな。もったいなかったな。みんなと繋がって、みんなの力を借りていることに気づいて、ありがとうを振りまけばよかった。多分。でも、そうするには若くて、経験も余裕もなさ過ぎて、あの時は、あれが精一杯だったんだ。
今の妊婦さん、産婦さんがどうかあの頃のわたしより幸せでありますように。
今の若い子たちは、わたしほど不器用でもポンコツでもないからね。でも、孤独ではあるかもしれない。わたしの出番、まだまだあるかな?おせっかい心、むくむくしてきた!(笑)
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これ貼ったら、パパが悪者だな。別に誰かを悪者にしたいわけじゃない。明るく楽しく、子育てして、楽しく生きていたいだけ。