間違うことへのハードルを下げるAI
平成30年7月6日の毎日新聞朝刊 1面
米エール大学があえてトラブルを引き起こす人工知能(AI)の研究を進めている。ドラえもんが完ぺきでないからこそ、のび太くんが奮闘する場面が生まれるように……。
ネット上のパズルゲームに、内緒で人間のフリをした「ダメAI」(10回に1回わざと間違える)を参加させたところ、「ダメAI」が参加した方が制限時間内に正解に辿り着く割合が2割も高かった。
これはね、間違えることへのハードルを下げたんだと思う。それから、誰かをフォローするって喜びを見つけさせた。もし、みんなかなり高い確率で正解してたら、自分だけ間違ったら恥ずかしいとか思って、慎重になるよね。でも、ダメAIが率先して間違えることでハードルが下がり、あまり考えすぎずに「数打てば当たる」理屈で結果的に早く正解できたらしい。
ポコちゃんのなりたいの「ダメAI」じゃん!って、今朝書いた記事も思い出して、セレンディピティ感じちゃったよ。
夫婦喧嘩の仲裁も、真剣な話し合いを勧めるAIより、間の抜けた冗談を言って笑わせるAIの方が、怒りを吸収し、仲直りを早めることもあるだろう。
「ダメAI」に活躍の余地があるのは、社会の複雑さと人間心理の不思議さ故だろう。それが研究者の好奇心を刺激している。
…だって。
「ダメAI」だけじゃなくて、ダメ人間も見直してくれるとうれしいな〜〜。
そう、そんなに深刻に考えないで〜。楽しんで行こうよ。